単純所持規制の問題点について
2014年09月13日
単純所持規制の問題点について 目次
はじめに
なぜ単純所持を違法化するのか?
規制反対派による反対理由 - 冤罪
規制反対派による反対理由 - 冤罪以外
単純所持と自己目的所持について
冤罪が起きやすいという反対理由について
実体法への反対は間違っている
あいまいな定義の問題
あいまいな定義により冤罪となる3つのパターン
①警察・検察と裁判所で認定基準が異なった場合
水着着用でも児童ポルノ認定される可能性について
②逮捕後、嫌疑なしまたは嫌疑不十分などで不起訴、釈放となった場合
③被疑者が違法性を認識していなかった場合
違法性の錯誤による逮捕の心配を払しょくするには
公的な判断基準の提示をなぜ要求しないのか?
年令知情の問題
年齢の確信が無ければ捨てるべき
タナー分類による年齢推定 + 捕捉 : 年令知情無過失責任
ウィルスやワンクリ詐欺で、意図せず所持してしまった場合
ウィルスに感染しただけなら摘発の心配はない
ウィルスによる過失所持を処罰する規定はない
ウィルス冤罪を成立させるための複数の条件
海外の事例から、マルウェアによる冤罪生起可能性を探ってみる
結論と捕捉 : 「MELLPON」 と 「Noped」
悪戯で児童ポルノをカバンに入れられてしまった場合
その前に、なぜ提供罪冤罪が発生しないのか?
こどもの入浴写真などの家族写真は児童ポルノにあたるか?
状況によるが、あたるなら既に摘発例がないとおかしい
やはりカギになるのは 「性欲目的か否か」
単純所持規制をやってる外国では冤罪が多発してるけど?
反対派による典型的な詭弁と言わざるを得ない
ラフジャスティスなら冤罪多発も無理はない?
検証 ・ 海外の冤罪事例 フリードマン事件 1
検証 ・ 海外の冤罪事例 フリードマン事件 2
検証 ・ 海外の冤罪事例 フリードマン事件 3
検証 ・ 海外の冤罪事例 ピート・タウンゼント事件
検証 ・ 海外の冤罪事例 Operation Ore (オペレーション・オー)
検証 ・ 海外の冤罪事例 ベネディクト事件 1
検証 ・ 海外の冤罪事例 ベネディクト事件 2
検証 ・ 海外の冤罪事例 授乳写真事件 1
検証 ・ 海外の冤罪事例 授乳写真事件 2
検証 ・ 海外の冤罪事例 プエルトリコでの冤罪事件
冤罪以外の反対理由について
警察の強権捜査の問題
警察に無邪気な信頼を寄せる規制反対派
容疑だけで社会的信用を失う問題
否定はしないが、実例が確認されていない
法の遡及を禁ずる罪刑法定主義の問題
単純所持禁止は罪刑法定主義に反しない
単純所持違法化と性犯罪増加の因果関係の問題
因果関係と相関関係を混同してはいけない
単純所持は児童の人権を侵害しない、という主張
感情論で児童の人権を線引きする規制反対派
議論集
なぜ単純所持を違法化するのか?
はじめに :
なぜ単純所持を違法化するのか?
このカテゴリでは、児童ポルノ単純所持規制問題を取り上げます。
児童ポルノ単純所持規制とは、児童ポルノをただ持っているだけで
違法行為となり、逮捕されるなどの規制を法で行う事です。
このような規制を行う理由としては、
①児童ポルノは被写体となっている被害児童にとって
誰にも知られたくない過去の虐待の悲惨な記録であり、
そのようなものを他人が所持しているというだけで
児童に対する人権侵害に当たる。
(「忘れられる権利」 への侵害)
②頒布や販売を違法化しても、所持したいという需要があるかぎり
違法に供給・頒布する犯罪行為はなかなか無くならないので、
所持そのものを規制することで、需要を抑止する。
もしくは供給・頒布の前段階である所持から規制する。
③頒布目的で所持していたものが、「ただ持っていただけ」 と
言い訳して摘発を逃れようとする行為を封じる。
④所持者を摘発することによって、付随する余罪、
たとえば児童性虐待、性的搾取、児童ポルノ製造、提供、頒布などの
より悪質な違法行為摘発の端緒となる。
などが挙げられるかと思います。
(2014/9/13 entry)
規制反対派による反対理由 - 冤罪
はじめに :
規制反対派による反対理由 - 冤罪
この単純所持規制は、1999年の児ポ法成立時から
導入するか否かで議論を呼んできました。
特に規制反対派はここ15年、単純所持規制阻止に
大きな力を注いできました。
彼ら主張の中でで最も大きな反対理由は、
①冤罪が多発する危険性が高い
というものです。
これにはさらに冤罪の原因となるとされるいくつかの論点があって、
● 児童ポルノの定義があいまいなので、冤罪が起きやすい
● 児童の年齢の定義が18歳未満となっており、
ヌード写真や動画に映っている児童の年齢が18歳未満なのかそれ以上なのかの
判別がつきにくく、冤罪の原因となる
● ウィルスやワンクリック詐欺など、
意図せぬ所持が摘発される恐れがある
また、パソコンに残ったキャッシュやサムネイルも、
児童ポルノ所持として摘発される危険性がある。
● 悪意をもった他人が自分のカバンや持ち物に児童ポルノを
紛れ込ませた場合、これも意図せぬ所持で摘発される可能性がある。
● 自分の子供の入浴写真など、
悪意のない裸の写真が児童ポルノとして摘発される危険性がある
● 大昔に購入するなどして、今は記憶にない
雑誌やビデオの中に、児童のヌードが映っていた場合、
摘発される危険性がある
● すでに単純所持規制を導入している諸外国では、
冤罪が多発して大問題となっている。
児童ポルノを所持しようという意図が全く無いのに、
逮捕されて取り調べを受けるのは絶対に嫌だ、
皆さんもそうでしょう?だからみんなで反対しよう!
という事を訴えたいのだと思われます。
(2014/9/13 entry)
規制反対派による反対理由 - 冤罪以外
はじめに :
規制反対派による反対理由 - 冤罪以外
冤罪以外のその他の反対理由としては、
②警察による家宅捜査の理由が見つけやすくなるなど、
強権捜査、別件逮捕に悪用される。
③罪名が児童ポルノ法違反なら、容疑をかけられて
警察が家に来たり、取り調べを受けただけで
社会的信用を失い、人生が終了する。
④過去に入手した児童ポルノの所持を
罰するのは、法の遡及を禁ずる
罪刑法定主義に反する。
⑤すでに単純所持規制を導入している諸外国では、
違法化と同時に性犯罪が増加している。
もともと治安のいい日本が真似する必要はない。
⑥そもそも、単純所持規制では児童の人権は守れない。
児童の人権を護るために、もっと他の事に力を注ぐべき。
などが挙げられると思います。
私は、以上のような規制反対派の言い分は、
大半が間違っていると考えます。
全て間違いだとは言いませんが、
正しい事を言ってる主張もたいていは
極端かつ非現実的に誇張され、
何も知らない人が聞いたら誤解してしまうような
無茶な物言いをやっている事がほとんどです。
世間一般ではそれを、
詭弁を弄する
と言います。
これからこのカテゴリで、彼らの主張の
どこがどう間違っているのか、どう詭弁なのかを
論点ごとに詳しく検証していきます。
ネットなどでそのような規制反対派の主張を聞いた方は、、
「そんなアブナイ法律が成立しようとしてるのか!」
などと鵜呑みにする前に、私の反論を真偽の
判断材料にしていただきたいと思います。
(2014/9/13 entry)
単純所持と自己目的所持について
はじめに :
単純所持と自己目的所持について
ちなみに、2014年6月の改正で、単純所持は違法化されましたが、
罰則はつきませんでした。
ゆえに、それだけで逮捕されることはないでしょうし、
罰則が無い限りは規制反対派も大して問題にしないと思われます。
罰則が適用されるのは、性欲目的で所持した場合、
いわゆる自己目的所持 (または性欲目的所持) です。
規制反対派による、単純所持違法化反対論の大半は、
そのまま自己目的所持違法化反対論として
スライドさせることができます。
しかし、この問題では15年近くにわたって
「単純所持」 という名称を使って多くの議論が行われ、
かなり浸透し馴染まれた呼び方であるため、
いまさら 「自己目的所持」 と言い換えても
なんだかしっくりきません。
したがって、このカテゴリのタイトルである
単純所持規制の問題点について
ですが、そのような理由によりあえてそのままに
させていただきたいと思います。
もちろん解説的なエントリでは、
きちんと呼称を使い分けなくてはいけませんが、
必要のない限りにおいては、単純所持という呼称を
優先的に使用したいと思います。
(2014/9/13 entry)
実体法への反対は間違っている
冤罪が起きやすいという反対理由について :
実体法への反対は間違っている
細かい論点に入る前にそもそも前提として、
冤罪が起きやすくなるなどという理由で
個別の実体法自体を否定する、反対すると言った
主張が果たして妥当なのでしょうか?
また、一般的な事なのでしょうか?
冤罪事件及び冤罪と疑われている主な事件 - Wikipedia
Category : 冤罪 - Wikipedia
このページを見ていると、やはり殺人罪の冤罪の多さが目を引きます。
冤罪としての件数や割合が多いとか少ないとかいうよりも、
殺人事件は社会的な影響力や話題性、注目度が高いという
理由で数多くリストアップされているのでしょう。
しかし、だからと言って殺人罪に反対したり、
法改正を要求する声はどこからも挙がってきません。
殺人罪以外で、最近の日本で話題になった冤罪事件としては、
志布志事件 - Wikipedia
富山連続婦女暴行冤罪事件 - Wikipedia
障害者郵便制度悪用事件 - Wikipedia
パソコン遠隔操作事件 - Wikipedia
痴漢冤罪 - Wikipedia
などがあります。
嫌疑となった罪状は上から
公職選挙法違反、強姦罪、郵便法違反、威力業務妨害罪、
迷惑防止条例、となっていますが、
それらの法律に対し、冤罪が起きたからと言って
廃止や改正を要求する声は挙がってきません。
これらの例を見てもわかる通り、
「冤罪の原因を実体法自体に求める」
などという主張は一般的に行われるものではありません。
冤罪の原因は実体法の中身そのものよりも、
警察の強引な捜査方法などに問題がある事がほとんどなのです。
手続法 (刑事訴訟法など) の問題であると
言い換えることができます。
確かに、児童ポルノ法違反で冤罪が起きる可能性はあります。
しかし、それは刑事罰が規定された他の法律でも同じことです。
冤罪を何とかしたいなら、刑事訴訟法の改正を要求すべきなのです。
しかしそれでも、規制反対派は児童ポルノ法による冤罪可能性は
他の刑法に比べて突出して高いと言い続けています。
果たして、児童ポルノ法の内実自体に、
他と比べて冤罪を引き起こしやすい要因が
本当に含まれているのでしょうか?
とすれば、その根拠は?
次のエントリからは、それらの根拠となる論点について、
ひとつづつ検討してきたいと思います。
(2014/9/14 entry)
あいまいな定義により冤罪となる3つのパターン
冤罪が起きやすいという反対理由について :
あいまいな定義による冤罪の問題 :
あいまいな定義により冤罪となる3つのパターン
「冤罪が起きやすい理由」 として、規制反対派が
良く挙げる理由の一つに、
「児童ポルノの定義があいまいだから」 というのがあります。
児童ポルノの定義は、第2条に定められています。
児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律
定義全文はリンク先を参照していただくとして、
規制反対派がしばしば問題にするのは、
年齢の定義 (18歳未満) 、それから3項の三の
三 衣服の全部又は一部を着けない児童の姿態であって、 殊更に児童の性的な部位 (性器等若しくはその周辺部、 臀部又は胸部をいう。) が露出され又は強調されているものであり、かつ、 性欲を興奮させ又は刺激するもの |
という部分です。しばしば 「3号ポルノ」 と称されます。
色文字部分 は2014年6月改正時に追加された箇所です。
年齢の定義は別エントリで検証します。
3項の三に関してですが、曖昧な定義と言われれば
確かにあいまいであるように見えます。
しかし、定義があいまいで何か都合の悪い事でもあるのでしょうか?
児童ポルノの定義のあいまいさによって、
反対派がいうところの冤罪が生まれてしまう可能性として
考えられるパターンは大きく分けて3つあります。
①警察・検察と裁判所で認定基準が異なった場合
逮捕 ⇒ 公判請求されて裁判になるも、裁判所が
児童ポルノに当たらないとして無罪判決を出した場合
②逮捕後、嫌疑なしまたは嫌疑不十分で不起訴となった場合
児童ポルノ所持の嫌疑で逮捕・拘留・聴取されたが、
警察・検察内で 「これは児童ポルノではない」 と
認定が覆り、不起訴となった場合
③被疑者が違法性を認識していなかった場合
「これは児童ポルノではないだろう」 と思っていたが、
警察に児童ポルノ所持の容疑で逮捕されてしまった場合
(2014/9/15 entry)
captain_nemo_1982 at 21:22|Permalink│Comments(0)│
①警察・検察と裁判所で認定基準が異なった場合
冤罪が起きやすいという反対理由について :
あいまいな定義による冤罪の問題 :
①警察・検察と裁判所で認定基準が異なった場合
まず①警察・検察と裁判所で認定基準が異なった場合ですが、
こういう事態 (無罪判決) になればこれは確かに冤罪で、
その可能性は否定できません。
しかし、「冤罪が多数発生する」 などと煽り立てるほど
起こりやすいものなのでしょうか?
単純所持 (または自己目的所持) はまだ罰則がありませんから
判例が存在しません。しかし児ポ法には、
他にも頒布、提供、製造などの違法行為があります。
上記目的で所持することも、運搬、輸入することも違法です。
それらの児童ポルノの定義は全て同じものが
使用されていますし、判例の積み重ねもありますから、
規制反対派が言うように
「定義があいまいだから冤罪が多発する」 のであれば、
すでに冤罪が多発しているはずです。
しかし、他の刑法犯に比べて、冤罪が多く発生しているという
統計などは全く確認されていません。
日本の裁判の有罪率は常に 99% を超えます。
すなわち無罪判決が出る可能性は 1% 未満です。
これは、検察が有罪確実な事件以外は起訴しようとせず、
裁判所は検察の判断をほぼ認めて有罪にするからです。
児童ポルノ所持違反でも、おそらく有罪率は 99% を超えるでしょう。
すなわち無罪判決が出る可能性は 1% 未満です。
更に、あいまいな定義が原因で検察と裁判所の
認定基準が違ったから、という理由での無罪判決が
出る可能性は更に低くなるでしょう。
そう考えてみると、とてもじゃないですが
冤罪が多発するなどいう状況にはなりそうにもありません。
少なくとも、児童ポルノ法の冤罪発生率が、
他の刑法より多いとする根拠を、
規制反対派は全く提示できていないのです。
(2014/9/18 entry)
水着着用でも児童ポルノ認定される可能性について
冤罪が起きやすいという反対理由について :
あいまいな定義による冤罪の問題 :
水着着用でも児童ポルノ認定される可能性について
ちなみに、3号ポルノ該当性が争点となった裁判で
無罪判決が確定した判例は一つも確認されていません。
これに関しては、興味深い事例があります。
「水着着用でも児童ポルノ」 過激化の業界に一石
この事件では、18歳未満の過激な水着DVD,
いわゆる着エロがはじめて児ポ法違反で摘発されました。
● 作品は水着が透けて見えたり白濁液をかけた野菜をくわえるシーンや
局部の形がわかったりするような画像があった
● 保護者の同意無し
● ギャラは5万円、しかも未払い
● 被害少女が家出中に2作目を海外で撮影
● 親が警察に届け出て発覚
という、かなり悪質な事例で、警察・検察は
水着着用であっても児童ポルノと認定しましたが、
万が一の無罪判決を懸念した検察が、
「他のメーカーの作品と比べても特に猥褻、悪質とは言いがたい」
と、逮捕の翌月になって判断を翻し、
容疑を児童福祉法違反に切り替えて立件しました。
この件からも、検察が裁判所との認定基準の相違からくる
無罪判決を慎重に回避しようとする意図が見受けられます。
もっとも、高裁判決の備考での記述ですが、
着エロであっても児童ポルノ認定がなされた例があります。
2010-09-23 - 奥村徹弁護士の見解 いわゆる着エロDVDが3号ポルノと認定された事例 (web 魚拓) 東京高裁判決速報速報番号3418号 本件判決は児童に極小の水着を 着用させてはいるものの, その一部を陰部に食い込ませるなどして 性器の周辺を露わにさせ, あるいは,臀部を露わにするように ずり下げるなど,社会通念上衣服の 一部を着用していない状態で, 殊更に性器や臀部等を強調した 姿態をとらせて,これを デジタルビデオカメラで撮影し, 記録して描写し,もって,児童ポルノに 該当すると認定するものであり、 この種事件の実務処理の参考になるものである (要約) |
(2014/9/19 entry)
captain_nemo_1982 at 21:18|Permalink│Comments(0)│
②逮捕後、嫌疑なしまたは嫌疑不十分などで不起訴、釈放となった場合
冤罪が起きやすいという反対理由について :
あいまいな定義による冤罪の問題 :
②逮捕後、嫌疑なしまたは
嫌疑不十分などで不起訴、釈放となった場合
これも広い意味では冤罪に含むこともあるでしょう。
摘発・逮捕してみたものの、捜査してみたら
児童ポルノ認定に該当しないって事で、
起訴される前に釈放されたというケースですが、
無実が証明されたとはいえ一定の期間は勾留されて
尋問されたり、家宅捜索を受けたりするのは確かなわけです。
家族や周囲に嫌疑内容が知られれば
恥ずかしいし社会的信用にも傷がつくことになります。
のちに無実とわかっても、一度持たれた偏見を
簡単に払しょくできるかどうか・・・・・という事でしょう。
しかし、周囲にばれて恥ずかしい犯罪は、
児ポ法違反以外にもたくさんあります。
私にすれば、児ポ法違反での逮捕は確かに恥ずかしいですが、
強姦や強制わいせつや強盗や放火や痴漢や盗撮や
児童虐待や覚せい剤や詐欺や窃盗や横領だって、
おなじくらいかそれ以上に恥ずかしい思いをすると感じます。
そして、これも①と同じで児ポ法違反案件が、
それも3号ポルノのあいまいさが原因の冤罪案件が、
他の刑法犯罪より多いとする根拠を、
規制反対派は全く提示できていません。
そもそも、犯罪行為がばれれば恥ずかしいのは当たり前の話で、
そういう一般認識こそが犯罪の抑止力として機能するのです。
確かに、無実の罪で逮捕されるのは誰だってイヤです。
しかしそれなら、絶対有罪確実の容疑者以外は逮捕するな、
と警察に要求できるものでしょうか?
そんなことを穏便にやってたら犯罪者の多くを逮捕することができず、
まともな治安が維持できなくなるでしょうし、
強権的にやるなら、逮捕即有罪となってこれは危険そのものです。
逮捕状が裁判所から出る程度に容疑が固まっているのなら、
無実の可能性があったとしても逮捕・拘束する権限を
警察が行使するのは、市民社会の治安維持のための
必要悪として認められるべきなのです。
どうしてもというなら、それは刑事訴訟法改正でやるべきで、
児ポ法などの実体法にその原因を求めて、
児ポ法での冤罪の危険は無くなっても、
その他の恥ずかしい犯罪の冤罪はなくならないわけですから、
根本的な解決にはならないのです。
(2014/9/20 entry)