2014年09月13日
検証 ・ 海外の冤罪事例 フリードマン事件 2
冤罪が起きやすいという反対理由について :
単純所持規制をやってる外国では冤罪が多発してるけど? :
検証 ・ 海外の冤罪事例 フリードマン事件 2
フリードマン事件、特に当時18歳だったジェシーの
有罪判決に関しては、2010年に再調査が行われ、
3年かけて172ページの報告書が作成されました。
調査を担当したナッソー郡の州検察官キャサリーン・ライスは、
「間違った判決は徐々に公安をむしばみ、
司法制度に大きな脅威をもたらします。
もし真実が我々をその場所 (無実) に導いたのなら、
フリードマン氏の身の証を立てる用意が
我々には完全にできています。」
と前置きしたうえで、
「どのような公平な分析によっても、
調査はジェシーが性犯罪者であるという
有罪判決の信頼性を増やすだけでした。」
と断言しました。
Jesse Friedman is 100% guilty of sexually abusing children, reinvestigation by Nassau County district attorney concludes - NY Daily News
(ジェシー・フリードマンは、子供への性的虐待事件で100%有罪である、
とナッソー郡地方検事による再調査は結論します)
(web 魚拓)
映画の公開の影響で支持者を得たジェシーは、
出所後に控訴審を戦いましたが、有罪判決は覆りませんでした。
しかし控訴裁判所は、
「ジェシー・フリードマンの有罪判決に対し、
不当であったという合理的な見込みがある」
として、映画で取り上げられたいくつかの主張を
採用しました。
ライスの報告書は、それに対して反論しています。
● 警察は積極的に子供たちに誘導尋問し、
子どもが虐待を否定すると、それをはねつけた。
<< ライスの報告書による反論 >>
全般的に、警察は誘導尋問をしていない。
● フリードマン逮捕以前、彼のクラスの子供たちは、
誰も虐待を受けた兆候を示していない。
<< ライスの報告書による反論 >>
虐待の兆候はあったが、すぐに認定されなかっただけ。
クラスの何人かは出席することを恐れ、
一人は吃音、一人は抜け毛の兆候を示した。
● 警察は、ある子供が虐待を認めるまで、
15回も尋問し続けた。
<< ライスの報告書による反論 >>
そのような記録はない。
● もう一人のこどもは、催眠術をかけられ、
虐待されたことを 「覚えている」 としか言えなかった。
<< ライスの報告書による反論 >>
主張は信頼性に乏しく、その子どもはおそらく実在しない。
● ジェシーは裁判官に
「終身刑になりたくなければ罪を認めろ」
と脅された。
<< ライスの報告書による反論 >>
脅していない。事態を直視しろ、と適切な助言をしただけ。
罪を認めたのは、ジェシー自身の損得勘定によるもの。
また、調査では以下のような事実を明らかにしています。
● 今回の調査で、ジェシーによる虐待被害者3人に
聞き取りを行った。(3人ともすでに成人している)
彼らは長年の羞恥と屈辱、痛みと回復について
それぞれの体験を語った。
犠牲者の一人は、ジェシーから
「ばらしたらお前の犬を殺す」 と脅されていた。
● ジェシーの弁護士が雇った精神科医は、
「ジェシーは自己中心的で、自分を操って
法をやぶる能力がある、精神病逸脱者。
常習的なウソつきで、他人をバカにすることで
満足感を得る」
と分析していた。
● ジェシーは刑務所で2回懲罰を受けた。
児童ポルノの所有と、近親相姦や幼児強姦の
ストーリーを書いて、配布したため。
● ジェシーの伯父のハワードは、
アーノルドの告白により、甥のジェシーが
実際に性的虐待を行っていた事実を知っていながら、
ジェシーは無実である、とウソを付いた事を認めた。
映画製作者もハワードのウソを知っていたが、隠蔽した。
映画や製作者らに関しては、
「挑発的で面白い映画だが、訴訟の完全な記録ではない。
彼らは前後関係を無視したインタビューの断片で
ミスリーディング (誤誘導) した。
また、調査に必要な映像記録全ての共有を拒否し、
共有されたものですら不公平なものだった。」
と非難しています。
一方ジェシーの弁護士は
「調査は実際の証拠と一致しないウソを含んでいる。
ライスは検察や警察の不正を取り繕う事に3年を費やした」
と反論しました。
また、監督のジャレッキは、
「ライスの調査は表面的だ。
こちらはジェシーの無実を証明する1700ページの
調査を提供できるが、州検察はそれについて
何の質問もしてこない」
と語っています。
(2014/10/8 entry)