2014年09月13日
②逮捕後、嫌疑なしまたは嫌疑不十分などで不起訴、釈放となった場合
冤罪が起きやすいという反対理由について :
あいまいな定義による冤罪の問題 :
②逮捕後、嫌疑なしまたは
嫌疑不十分などで不起訴、釈放となった場合
これも広い意味では冤罪に含むこともあるでしょう。
摘発・逮捕してみたものの、捜査してみたら
児童ポルノ認定に該当しないって事で、
起訴される前に釈放されたというケースですが、
無実が証明されたとはいえ一定の期間は勾留されて
尋問されたり、家宅捜索を受けたりするのは確かなわけです。
家族や周囲に嫌疑内容が知られれば
恥ずかしいし社会的信用にも傷がつくことになります。
のちに無実とわかっても、一度持たれた偏見を
簡単に払しょくできるかどうか・・・・・という事でしょう。
しかし、周囲にばれて恥ずかしい犯罪は、
児ポ法違反以外にもたくさんあります。
私にすれば、児ポ法違反での逮捕は確かに恥ずかしいですが、
強姦や強制わいせつや強盗や放火や痴漢や盗撮や
児童虐待や覚せい剤や詐欺や窃盗や横領だって、
おなじくらいかそれ以上に恥ずかしい思いをすると感じます。
そして、これも①と同じで児ポ法違反案件が、
それも3号ポルノのあいまいさが原因の冤罪案件が、
他の刑法犯罪より多いとする根拠を、
規制反対派は全く提示できていません。
そもそも、犯罪行為がばれれば恥ずかしいのは当たり前の話で、
そういう一般認識こそが犯罪の抑止力として機能するのです。
確かに、無実の罪で逮捕されるのは誰だってイヤです。
しかしそれなら、絶対有罪確実の容疑者以外は逮捕するな、
と警察に要求できるものでしょうか?
そんなことを穏便にやってたら犯罪者の多くを逮捕することができず、
まともな治安が維持できなくなるでしょうし、
強権的にやるなら、逮捕即有罪となってこれは危険そのものです。
逮捕状が裁判所から出る程度に容疑が固まっているのなら、
無実の可能性があったとしても逮捕・拘束する権限を
警察が行使するのは、市民社会の治安維持のための
必要悪として認められるべきなのです。
どうしてもというなら、それは刑事訴訟法改正でやるべきで、
児ポ法などの実体法にその原因を求めて、
児ポ法での冤罪の危険は無くなっても、
その他の恥ずかしい犯罪の冤罪はなくならないわけですから、
根本的な解決にはならないのです。
(2014/9/20 entry)