2013年06月01日
「データ懐疑派」 氏への反論
このエントリでは、「データ懐疑派」 氏の>>111に対する 私の反論を掲載しますが、売国奴スレで議論していたときは 長文を直接投稿することは避けたかったので、 yahoo掲示板の 「投稿数トップをめざす」 というトピックに 反論を隔離しました。 記述が第三者的・傍観者的に行われているのは そのためです。 【ブログ移転時追記】 yahoo掲示板がサービス移行したため、リンクを全て入れ替えました。 |
144 名前:captain_nemo_1982 []
投稿日:2007/10/31(水) 00:02:24 ID:Iuu/6PGm
>>111
ようやく ”新情報センター捏造疑惑” に対する反論が完成した。
とりあえず簡潔に俺の見解を述べておく。
【 新情報センターが平成14年に調査実施した
児童の性的搾取に関する世論調査において、
データの捏造、不正な取り扱いなどの事実は確認されておらず、
仮にあったとすればそれはサンプル回収率であり、
各意見のパーセンテージはほぼ実態に近いものである。
よって当調査の信頼性は依然高いものであると評価する 】
規制に反対している人たちは、
情報センターが捏造した → 有害情報調査も信頼できない
→ 所管している内閣府に世論操作の意図あり
と繋げたいところだろう。そこで、 ↓
反論その1 反論その2
この掲示板で俺の反論を掲載しておく。
(計7投稿 途中トピ住人の投稿あり)
ここでやると、スレ違いの長文でスレを汚すことになるが、
上記URLの板は荒らし歓迎をうたっているので、参加者の
迷惑になることもない。
おまけに板の主旨上、ログの長期保存が期待できるという
メリットもあるからな。
上記リンク先での反論をここにも掲載します。 タイトルは 「>>111 氏への反論」 から 「『データ懐疑派』 氏 への反論」 に差し替えています。 |
「データ懐疑派」 氏 への反論 1
平成14年に内閣府が行った 「地域再生に関する世論調査 」
および 「食育に関する世論調査」 にて
調査を受託した社団法人新情報センターがデータの捏造、
不正な取り扱いを行っていたという事実が発覚した。
この問題を取り上げているブログ (web魚拓)
新情報センターは他にもデータ捏造を多数指摘されており、
同じく内閣府受託の 「児童の性的搾取に関する世論調査」
の調査結果にも疑惑の目が向けられている。
当稿は以上の事実をすべて認めた上で、なおかつ
「児童の性的搾取に関する世論調査」は信頼置けるもので
あると主張する。
以下、論点を3つに分けて論述していく。
1、「児童の性的搾取に関する世論調査」 において
捏造の事実は認められるのか
2、データ捏造はどのような経緯で行われたのか
3、データ捏造の内容と、調査結果に与える影響
「データ懐疑派」 氏 への反論 2
1、「児童の性的搾取に関する世論調査」 において
捏造の事実は認められるのか
現時点では確認できていない。
したがって、推定無罪の原則により、当調査は
正当なものであるといわざるを得ない。
。。。。といいたいところだが、ここに面白い資料が存在する。
新情報センター捏造発覚前後の、内閣府世論調査回収率の推移である。
(web魚拓)
これを見ると、捏造発覚前は70%以上あった回収率が、
発覚後は50%台、多くても60%強に落ち込んでいることがわかる。
新情報センターと同じく内閣府所管法人である中央調査社も
全くおなじような回収率の推移を見せている。
これは、発覚前はサンプル回収率の水増しが常態化していたという疑惑を
裏付けるものであり、「児童の性的搾取に関する世論調査」 が行われた
平成14年度以前も、大体70%台の回収率で推移していることから、
同じようなことが行われていただろうと想像するに難くない。
(ちなみに、本調査の回収率は64.9%)
したがって、本稿では本調査でも回収率の水増しが
あったという前提で話を進めることにする。
「データ懐疑派」 氏 への反論 3
2、データ捏造はどのような経緯で行われたのか
ここに、新情報センター捏造に関して行われた、
民主党黒岩たかひろ参議院議員の一般質疑議事録がある。
(web魚拓)
政府広報室室長の谷口隆司の答弁によると、内閣府から
調査機関に対して7割の回収率を要求していたらしい。
義務化はしてなかったようだが、なかなかその回収率に
達しないということで、調査機関があたかも回答があったかのように
捏造して回収率を7割に水増ししていたということのようだ。
黒岩議員は異常に安い入札価格で調査が受託されていたことを受け、
__結果的に、七〇%で出した結果公表されたものの結果と、 その後五〇%に落としたものでは本当にわずかしか 違っていませんよね。 〇・何%、各質問すべてそうですよ。多分、広報室としても堂々と 五〇%の回収率でも出したわけですよね。そうですよね。 (略) 結局、五割でもそんなに変わらないということは、 今まで何度も何度もやっている新情報センター、(略) これはもう推論でしかないんですけれども、 それほど回収率を高めなくても、 高めなくてもある程度のサンプルが集まれば、それをともすれば 引き伸ばしても、報告したってさして数値は変わってこないわけですよ。 私、こういうことでもない限り、民間の人と話をしても回収率七割で 一千万弱では絶対できないという。 |
と、回収率の水増しが常態化していたのではないかと指摘している。
「データ懐疑派」 氏 への反論 4
3、データ捏造の内容と、調査結果に与える影響
内閣府は、データ捏造発覚を受けて、「地域再生に関する世論調査」の
訂正版を公開している。(PDF)
注目すべきポイントは以下の点である。
● 回収数が2108人 (70.3%) から1551人 (51.7%) に訂正された
● 各回答のパーセンテージは、訂正前とほとんど変わっていない。
一番差があるもので+2.2%、
たいがいはプラスマイナス1%未満である。
今回のデータ捏造とは、回答が得られた1551人のデータを元にして、
ほぼ同じような回答内容になるように回収率の水増しが
行われていたということだ。
これを見て推察できるのは、
内閣府に世論操作の意図は無かったということだ。
内閣府が何らかの意図を持って世論を捏造するのであれば、実態に比して、
内閣府に有利な結果になるようにデータが作られていなければならない。
しかし、訂正前と訂正後で数値がほぼ同じでは、
世論の捏造しても何ら効果は得られないからだ。
更に重要なことは、回収率の水増しがあったとしても、
世論調査の結果としては大して変わりは無いという点だ。
統計学上で、無作為抽出による回収率が7割か、5割かで
データの有為性は当然違ってくるのだろうが、
たとえば平成19年度の 「有害情報に関する世論調査」に
関する報道で大きく取り上げられた 「規制賛成9割」 という
結果の意味はそのまま担保されているのである。
ちなみに、この調査の回収率は58.9%であるが、
それに対して 「7割に達していないから説得力が無い」
といった批判は寡聞にして知らない。
おそらく、その程度の回収率の差異はほとんど問題に
されていないということであろう。
「データ懐疑派」 氏 への反論 5
結論
● 内閣府に世論操作の意図は無かった。
● 当調査において、データ捏造、不正な取り扱いが
あったとの直接的証拠・指摘・批判は公に存在しない。
● 仮に捏造があったとしても、それは回収率に
限ったものであり、調査項目である
児童ポルノ単純所持規制に賛成・・・・・59.5%
という統計のパーセンテージそのものの
信頼性は保持される。
● 5割程度の回収率ではデータに有為性が無いという
批判は有効である。
「データ懐疑派」 氏 への反論 6
予想される反論と、それに対する回答
反論 1
新情報センターは複数の各種調査に渡り不正を行っている。
当調査においても捏造があったと考えるのが自然だ。
また、回収率の捏造のみならず、その他の内容でも
捏造したに決まっている。
回答 1
捏造・不正があったと断言できるのは
あくまで、公にそれが明らかになったもののみです。
内閣府委託の世論調査で言えば、地域再生と食育の
2調査の回収サンプル数の捏造が明らかになっている全てです。
反論にあるような感情・先入観を抱いてしまうのは
人間として普通のことなのかもしれませんが、
データの取り扱いというものは、冷徹な論理に
貫かれていなければなりません。
それでも当調査に対する疑惑を主張するならば、
それは推定有罪の立場に与するということを意味します。
そのような没論理性の発露は、議論に参加する上で
致命的な欠陥となるという事はご理解いただけるでしょう。
反論 2
新情報センターは内閣府所管の社団法人で、
多数の官僚が天下りしている。
つまり、癒着構造にあるということであり、今回の捏造は
内閣府の世論操作の意図が働いていたことは明確だ。
回答 2
世論操作をするならば、真のデータと捏造データの間に
内閣府に有利に働くような差異が認められなければなりません。
しかし、捏造データと訂正データを併記している
平成17年の地域再生に関する世論調査をみれば、
その差異は最大で+2.2%、たいていは1%未満です。
この程度では世論誘導の効果を望めるはずも無く、
したがって世論操作の意図は働いていなかったと断言できます。
「データ懐疑派」 氏 への反論 7
反論 3
データを訂正して発表しなおしたというが、
その新データだって信用できるかどうかわからない。
何しろ相手は常習的に捏造を行ってきたインチキ調査機関だ。
回答 3
訂正データに疑惑を抱くのは内心の自由です。
しかし、事実として断言するならば、挙証責任が発生します。
それを果たせないならば、そのような主張を行う資格は
ありません。
また、ノルマ達成のために回収率を捏造する立場から
考えてみると、真のデータのパーセンテージをそのままに、
サンプル数を水増しするという企図は
極めて自然かつ合理的な方法といえ、よって訂正データの
パーセンテージは信頼置けるものであるという
推論は十分成り立ちます。
反論 4
データ回収率が50%程度では、とても世論調査として
信頼性を獲得するには至らない。
反論 4
これに限って言えば、有効な反論となりえます。
ただし、当調査に捏造があったと仮定した場合の話ですが。
しかし、規制反対派のひとたちは、今までそのような反論を
展開してきたでしょうか?
平成19年度の有害情報に関する世論調査でも、
回収率は58.9%ですが、この調査に関しても
そのような批判があったとは寡聞にして知りません。
それをいまさら、誰も問題視していなかった回収率の問題に
焦点を移すというのであれば、議論をする上で
極めてアンフェアな行為であると言わざるを得ません。