2013年04月27日

俺がネットの中の「児ポ法反対運動」に躊躇する理由


他サイトによる規制反対派批判


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俺がネットの中の「児ポ法反対運動」に躊躇する理由 - 相谷さんの一言
                   (web 魚拓)
                     (2009/6/28)


最初に一言言っておくが

 本題に入る前にあらかじめ最初に一言言っておきたい。
 はっきり言うが、俺も「児ポ法」設定は反対である。エロゲやロリマンガに関する「表現の自由」は最低限保障すべきだとも考えている。これは本気だ。
 なぜ最初にいちいちこういう事を書かなければならないかというと、オタク連中から「こいつ、本当は規制してほしいんだろ?」とあらぬ疑いをかけられるのが嫌だからである。
 もう一度言うが、オタクとして、そして日本人として最低限の「表現の自由」は保障されるべきだ。その辺は念を押す必要がある。

 しかし今のネットにおける表現の規制に対する反対運動には、正直参加することに躊躇せざるを得ない。本気なのは分かるのだが、どうもその本気が「オタク以外の第三者」に伝わっているように見えない。なぜそう思うのかが、今回のエントリーを書くきっかけなのだが……。


「架空創作表現規制禁止の法制化を求める署名」の
プロジェクト内要でに書かれている「カチン」ときた一文


 ネットで最近表現規制に対する反対運動を起こそうと、表現規制に危機感を持っておられる方々が「署名TV」で署名するように呼びかけている(署名内容については『こちら』へどうぞ)。
 実を言うと、俺はその署名に署名していない。ていうか、署名したくない! なぜなら、その署名プロジェクトの内容の一文の中にとてもカチンときた一文があったからだ。なので、ここに引用してみる。

 3:表現規制をする団体に対しては即時解散を命令する
 7:架空創作表現弾圧者監視委員会を設け、創作表現の過剰な規制が行なわれていないかを監視する
  (架空創作表現規制禁止の法制化を求める署名)*1

 ダダをこねている三歳児かってぇの!  「表現の自由」を訴えている者が同じように「表現規制」をやってどうする!
 「表現の自由」というのは、「賛成」も「反対」も全てひっくるめてそれを言ったり書いたりすることを「自由」にやってもいいという事である。そしてその自由を良くも悪くもそれを受け止める覚悟を持て、という事でもある。
 「自分達の表現が奪われるのが嫌だから、その表現を奪う奴等を監視しろ」というのは、どう考えても筋が通らないんじゃないんかい?


スキだらけの業界、及び評論規制反対論者

◎ 表現規制に関して:島国大和のド畜生

 秋葉原を歩くと、路上に18禁ゲーのポスターが張り巡らされていた事があるが、お前ら自重しろよ、と思わずには居られなかった。まず売り場のレベルで意識が弱い。
 ああいう目に付く状況が続けば、目ざとい人に嗅ぎ付けられて当たり前だ。
 業界団体の自主規制はそういう悪目立ちをしない為にも必要だ。
 177っていうゲームがあってね、みたいな昔話をされたくも無いだろうし。

 ( 表現規制に関して:島国大和のド畜生)


 度々思うことなんだが表現規制に反対している人は、上の記事のようにどこかスキだらけに見えるように感じる。具体的に言うと、表現規制の反対論者の誰かが「何かの間違いで」逮捕されたとき、家宅捜索でそのブツが、思いっきり包み隠さず出てくるというように。
 警察官が犯人の拳銃攻撃に備えて防弾チョッキを着るのと同じように、「表現の自由」を訴えるからには、それを規制する人に付け入るスキを与えてはいけない。痛い所を突かれてからでは遅いのだ。


「表現の自由」を勝ち取るために、
表現規制反対論者がやるべき心構え


 かようなまでに「表現の自由」を守るためには、それだけ細心の注意を払わなければならないのである。
 ではその細心の注意を払った上で、「表現の自由」を守るようにするにはどうすればいいのだろうか。

 一つのヒントはエロマンガにつける「成人指定マーク」によるゾーニングの徹底である。しかしそれも完全ではない。
 なぜなら出版社が「成人指定マーク」を付けた所で、そのマークの意味をエロマンガを読まない第三者(特に未成年者やその親)に徹底して教育・指導しないと、マークを付ける意味が無いからである。
 そう、自分達の「表現の自由」を守るためには、いかにして第三者に自分達の楽しんでいる「表現」が未成年者の教育に影響を与えているか、それを踏まえた上で、いかにしてその「表現」が大事なものであるかを徹底して伝える事ではないかと思う。

 残念ながら今のオタクたちは「表現の自由を守れ!」とネットの中で大声で叫ぶことに一生懸命で、その情熱がネットの外に向けられていないように見える。もっと言うと自分達だけで心の傷を舐めあっているだけで、その窮状を伝えるべき第三者に全然伝わっていないという感じである。

 そりゃ自分達の「恥部」を晒すのは大きな勇気が必要だ。でもそれを恐れるあまりに手遅れな状況になっては遅いのだ。
 「表現の自由」を勝ち取るためには第三者の白い眼を恐れず、なおかつその第三者に自分達の意見を分からせる必要がある。大変な事ではあるが恐れてはいけない。まず手始めにお台場とか新宿駅とかにビラを配ったらどうだろうか。






★ captain_nemo_1982 のコメント

ここで語られていることは要するに、
「反対運動のために一般良識に迎合しろ」
ということであり、心情的によくわかるし、
戦略的にも間違っていないと思う。

ただ、ここはあえてカテゴリの主旨に反して、
規制反対派の啓蒙主義路線に準拠じて
批判されている規制反対派を擁護してみたい。
 (あくまで机上論・思考実験であり、
  現実に以下の考えが通用すると思っているわけでは無い)


まず、「『自分達の表現が奪われるのが嫌だから、その表現を奪う奴等を
監視しろ』というのは、どう考えても筋が通らない」 に関して。

このカテゴリの後でアップする予定の青識亜論氏との議論によると、
「自由主義は 『自由を否定する自由』 を認めない。
 それは自由そのものの否定を認めることにつながるから」
ということだそうである。

件の署名で言われていることは、「規制という行為」 に対する規制
であり、「規制言論」 まで規制しろ、と言っているわけでは無い。
ということは、表現の自由を守るためにそれを侵そうとする
勢力を排除するという主張は決して矛盾するものではない。

次に、「付け入るスキを与えてはいけない」 だが、
啓蒙主義路線の最優先事項は主張が真実に基づくかどうか、
論理として整合性があるかどうかであり、主張者の動機は
問題とされない。
というか、そのような動機責任論は、主張者の動機が純粋であれば
主張内容の正否は2の次であるという、真実の探求から
遠ざかる結果しか招かない、退廃した思想である。

最後に、
「いかにして第三者に自分達の楽しんでいる「表現」が未成年者の教育に
影響を与えているか、それを踏まえた上で、いかにしてその「表現」が
大事なものであるかを徹底して伝える事」
について。

影響があるというなら、言う方に立証責任が生じる。
ゾーニングに値する影響とはすなわち悪影響のことだろうが、
悪影響があると立証したうえで、そのような表現を守る重要性を
未成年や親に訴える論理とはいったいどのようなものかが
何も語られておらず、そのような主張は無効である。

表現の自由を守る立場であっても、悪影響のある表現まで
擁護を要求するものではない。


とまあ、このような擁護論で押していけるほど現実が甘くないのは
私もよくわかっている。規制反対派が規制推進するというような
突っ込みを招きかねない主張は慎むべきだし、
身辺整理は当然行っておくべきだし、ゾーニングが
広く社会の同意を得ている以上、それに迎合すべきだろう。

ゆえに、相谷氏の主張は戦略的に妥当であると考える。
ただ、そのための実効策として 「新宿やお台場でビラを撒く」
というのは、どうにもこじんまりした印象で、広範な視野に
欠けているというきらいは否めない。

規制反対派の言論や悪目立ちが社会に与える影響を危惧するなら、
運動自体もそれに見合ったスケールで展開されることを前提としないと、
「ビラ配りやってる連中の家からやばいものが見つかったからと言って、
 世間は大して騒がない」 という反論を呼び込む余地を与えるだろう。

もちろん、現行の規制反対運動に代案を提示するという試みは、
私もいくつかやっているがこれがなかなか難しいものがあるのは確か。

狂信的な規制反対運動のおかげで、本来は規制反対派である
相谷氏も参加に躊躇するほどの悪影響を与えている、という文脈での
規制反対派批判が氏のエントリの主旨とするならば、
最後の代案の部分はおまけかつけたし程度に見ておくのが
正しいのかもしれないけれど。



              (2010/8/18 entry)


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captain_nemo_1982 at 18:00│Comments(0)TrackBack(0)他サイトによる規制反対派批判 

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